hibi2tiyo2007-08-25

盆休みに実家に帰るときの父へのお土産に
「忘れえぬ満鉄」大型写真集(2センチ厚み)を購入した。
父は90歳。いまだかくしゃくとして(最近そのかくしゃくも、かなり
アヤシイ雰囲気になりつつある。物忘れが極度に激しくなっている)
昭和22年1月、正月時に中国大連から引き揚げげてきた。
私達子供4人(8歳、5歳、3歳、6ケ月)と両親。
父29歳、母27歳の時。父は中国満鉄の助役ををしていた。
兼務として「日の出隊舎」の舎監をしていた。「日の出隊舎」は
大連満鉄に勤務していた独身青年の寮舎。常時100人前後の青年達の
家としての役目を果たしていた。終戦前は20才になった青年達を随時
出征隊員として送り出す役目も親代わりに果たした。
その頃の写真が実家には多数ある。父は当時写真が趣味で家に
暗室まであった。今思えば、あの身一つに近い状況の中で、よぞまあ
重たい写真を沢山持ち帰ったものと驚異。これひとえに、母は何が
大事かを母なりの判断で持ち帰ったのだろう。当然引き揚げの時は
青年隊員たちも一緒。大連港から出航。佐世保の針尾港に上陸。
そこで各自、親元、親戚等のところに拡散していったのです。
行き先が決まらない青年は、私達と一緒に父の実家(大分宇佐)で一時
暮らした。書き出せばきりが無いのでこの辺で終わります。
で、少し高かったけど、奮発して写真集を購入したのです。
父は喜んで見ていましたね。自分もそのうち、ゆっくり見る予定。
ちなみに、山崎豊子さん原作の、中国残留孤児苦闘の生涯を描いた
大地の子」上・中・下卷の主人公の中国名{陸一心}(ルーイーシン)は
私と同じ年生まれです。私達兄弟は、大連は港町なので残留孤児にならずに、
無事引き上げてこれたのでしょうね。